熱回収が普及してきた理由とその現状

熱回収とは、物質を燃やした熱を垂れ流しにせず再利用する仕組みのことです。


現在もっとも注目されているのはゴミ焼却に関するリサイクルの一種としての熱回収でしょう。

英語ではサーマル・リサイクル、あるいはサーマル・リカバリーと呼びます。

日本における廃棄物対策は近年まで単純な物質的リサイクルが中心でしたが、2006年の容器包装リサイクル法改正から、熱回収が正式にリサイクルの一種として認められました。



とくにプラスチックは単純なリサイクルが難しく、焼却炉で燃やした上でその熱を発電や温水に役立てる考え方が普及しつつあります。



普及の背景には焼却技術の進歩があり、現在はプラスチック焼却で有害物質がほとんど出なくなっていることもサーマル・リサイクルを推進する大きな材料になっています。

熱回収はゴミ処理だけで使われる仕組みではありません。



最近では、産業用の熱利用システムにも同じ考え方が使われています。
なかでもポピュラーなのは宿泊施設などの大きな建物の冷暖房熱を回収し、再利用して温水を作るシステムです。こういったシステムの基本になっているのはヒートポンプという考え方で、気体が凝縮されると温度が上がることを利用しています。気体の密度を変えることで物質間に温度の違いを作り出し、利用したい場所まで熱を移動させる仕組みです。
エアコンも実はヒートポンプの原理で動いています。
現在、熱回収システムはこのヒートポンプの仕組みを可能なかぎり徹底的に使うことで、よりエネルギー効率を高めコストパフォーマンスを高める方向に進化し続けています。